SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。そもそもどう発音するかというと、SDGs(エス・ディー・ジーズ)です。時々エス・ディー・ジー・エスと読まれる方がいらっしゃるのですが、最後はGoals(ゴールズ)の略です。

SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。

この写真は、SDGsが採択されたときに、国連の壁にプロジェクションマッピングでお祝いをした模様を写したものです。カラフルで喜ばしい感じが伝わってきますね。

UN Photo/Cia Pak

17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

 

SDGsの17の目標

17の大きな目標の中身を少し見てみましょう。

この6つの目標を見ていると、貧困や飢餓、健康や教育、さらには安全な水など開発途上国に対する支援に見えます。

しかし実際には、日本の子どもの6人から7人に1人が貧困だと言われていたり、ジェンダー平等に関しても2020年12月に世界経済フォーラムで発表された数字によると153カ国のうち121位と、とても低い数字になっていて、これらの目標は先進国である日本国内でも当てはまることだと言えます。

では次の7~12を見てみましょう。

ここの辺りまで来ると、気候変動の話、海の話や陸の話まで出てくるので、開発途上国や先進国だけの話ではなく、もっと包括的な話になってきます。

SDGsが世界でこれだけの広がりを見せているのは、開発途上国だけではなく先進国も、働きがいや経済成長までも踏まえたものだからだと言えるでしょう。

 

SDGsの169のターゲット

それでは169のターゲットを見てみましょう。

サンプルとして、一番はじめの「1. 貧困をなくそう」を見てみようと思います(以下の表)。

これ以外に17目標それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。

以下、雰囲気を感じ取っていただきたいだけなので、細かく見る必要はありませんよ。ちゃんと理解しようとすると嫌になってしまいますので飛ばしてください 笑

1.12030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.22030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
1.3各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度および対策を実施し、2030年までに貧困層および脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.42030年までに、貧困層および脆弱層をはじめ、すべての男性および女性の経済的資源に対する同等の権利、ならびに基本的サービス、オーナーシップ、および土地その他の財産、相続財産、天然資源、適切な新技術、およびマイクロファイナンスを含む金融サービスへの管理を確保する。
1.52030年までに、貧困層や脆弱な立場にある人々のレジリエンスを構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的打撃や災害に対するリスク度合いや脆弱性を軽減する。
1.aあらゆる次元での貧困撲滅のための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの多大な資源の動員を確保する。
1.b各国、地域、および国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを設置し、貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援する。

中身を見てみると1.2の最後に書いてある「~半減させる」という具体的な目標もあれば、1.3「~十分な保護を達成する」という漠然としたものも含まれています。そのため、169のターゲットのさらなる詳細版である具体的な数値目標が書かれた232の指標を策定することになりました。

SDGsを理解するときに、17の目標、169のターゲット、さらにその下に232の指標がある、3階建てのビルだと考えると分かりやすいかもしれません。

 

世界におけるSDGsと達成状況

SDGsがパワフルなところは、この数値目標を定期的にモニタリングしていくことです。その進捗をモニタリングしていく枠組みとして、国連ハイレベル政策フォーラム(HLPF:High Level Political Forum)というものがあります。

具体的にはSDGs達成に向けての進捗状況を各国が自分たちで報告を行うというものです。そのレビューが毎年7月頃に行われています。

2017年の進捗報告では、ピコ太郎さんがSDGsのPPAPバージョンを作り国連で披露したことでニュースでも取り上げられたので覚えている方もいらっしゃるかもしれません。ピコ太郎さんによってSDGsの認知度を上げるための一役を担ってくれました。

 

イマココラボでは、難しく思われがちなSDGsをカードゲームを通じて、楽しみながら体験を通じて学ぶために2030SDGsカードゲームを開発したのですが、そのカードゲームを体験していただいた多くの方が「全体で達成する目標が見える化されてたので自分自身の行動が変わった」と言います。

そして「実際のSDGsの達成状況は見える化はされていないのか」という質問もよくいただきますが、前の国連事務総長であるパンギムさんが立ち上げたNPO団体によって以下の進捗状況がまとめられています。

OECD 各国

アフリカ

この表では緑が達成で、赤に行くほど未達成を意味します。

 

このように世界の状況を一覧で見れることでOECD各国とアフリカでは大きな差があることが分かります。また、このように一覧で見れることで自分たちが何をしなければいけないかが明確になります。

 

このように世界全体で取り組む壮大なSDGsの世界観を理解しようとするとかなり難しい感じがしますが、カードゲーム「2030SDGs」は楽しみながら本質を体験することができます。

カードゲームについて知りたい、体験できるイベントに参加してみたい、という方は以下をご参照ください。体験会については、様々な場所で実施されています。

 

 

それでは、次に日本におけるSDGsをご紹介していきます

日本におけるSDGs

まず、日本政府におけるSDGsの動きを見てみましょう。

日本では2016年5月20日に安倍総理が本部長、すべての国務大臣がメンバーになり、第1回「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合」が開催されました。また、それ以降も毎年2回同じメンバーで開催されていて、その中で日本におけるSDGsに関わることが決定されています。

2回目の会合でSDGs全体に関わる内容を以下のように述べています。

「持続可能な開発目標(SDGs)の実施指針を本日決定しました。日本は、これまで、持続可能な経済・社会づくりのため、国際社会のモデルとなるような優れた実績を積み重ねてきています。

今回決定した指針には、経済、社会、環境の分野における8つの優先課題と140の施策を盛り込みました。この指針で、世界に範を示し、持続可能な世界に向けて、国内実施と国際協力の両面で国際社会をリードしてまいります。

一点目は、国際保健の推進です。国際保健機関に対し、総額約4億ドルの支援を行う予定です。

二点目は、難民問題への対応です。今般、新たに5億ドル規模の支援を行います。

三点目は、『女性の輝く社会』の実現です。2018年までに総額約30億ドル以上の取組を行います。

来年7月には、国連で我が国の取組の報告も行う予定です。関係閣僚においては、今後も本実施指針の下、緊密に連携し、政府一丸で取り組むようお願いします。」

出典:首相官邸

日本はSDGs関連に9億ドルの支援、30億ドルの取り組み、つまり日本円にして合計約4000億円を投資すると言っています。

もちろん、多くのものがこれまで取り組んでいたものを改めてSDGsの枠組みで表現しなおしているのだと思いますが、首相自らこのような宣言をすることは大変意味があり、日本のSDGsに対する姿勢を表しているものだと言えます。

また、SDGsに関して政府主導でいろいろな取り組みが行われています。2019年末に発表した「SDGsアクションプラン2020」に沿って代表的な取り組みの見てみましょう。

SDGsアクションプラン2020の骨子は2019年に引き続き以下の3つになります。

  1. SDGsと連携する「Society(ソサエティー)5.0」の推進
  2. SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり
  3. SDGsの担い手として次世代・女性のエンパワーメント

出典:官邸HPより

分かるような分からないようなちょっと難しい感じがしますね。

中身をかみ砕くと、①は経済やビジネスの観点から、②は地方創生の観点から、③は女性活躍推進、高校無償化、高齢化など主に人にまつわる観点から推進されています。

 

それぞれの観点からもう少し詳細を見てみましょう。

① 経済、ビジネスにおけるSDGs

まずは「①SDGsと連携する「Society(ソサエティー)5.0」の推進」は経済、ビジネスの観点からうたっていますがその背景を見てみましょう。

 

経済、ビジネスの観点で一番インパクトがあったものは、間違いなく2017年11月に経団連が7年ぶりに行動企業憲章を改定したことです。その中で、Society5.0(ソサエティー5.0)というコンセプトのもとSDGsに本気で取り組む、と述べた流れを汲んでいます。

経団連は一部上場企業の7割が加盟していて経済界でもっとも影響力がある団体です。その経団連、つまりビジネスの力を使ってSDGsを実現していこう、というものです。

これまでは企業はどちらかと言えば、儲けたお金の一部、余ったお金を使って社会に良いことをやろう、という発想だったものが、SDGsでは本業を通じて儲けながら世界を変えていこう、という発想の大きな変換があります。ビジネスの力、お金の力を使って世界を変えていこうという現れでもありSDGsの可能性を感じる部分でもあります。

ちなみにSociety5.0とは以下で表現されています。
狩猟社会(Society1.0)
農耕社会(Society 2.0)
工業社会(Society 3.0)
情報社会(Society 4.0)
超スマート社会(Society 5.0)

人類がこれまで歩んできた社会に次ぐ第5の新たな社会を、デジタル革新、イノベーションを最大限活用して実現する、という意味でSociety5.0が作られました。こうやってみるとなるほどなーという感じですね。

ちなみに経団連はSDGsの特別ページを作っていて、企業文脈からSDGsを推進していこう、という本気度が感じられます。

② 地方創生におけるSDGs

次に「②SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり」は地方創生の観点で書かれていますがその背景を見ていきましょう。

SDGsが合意されて以来、各地域ではSDGsを活用して地方創生を実現していこうという流れになっています。2020年7月17日に発表されたSDGs未来都市はその1つの象徴的な動きです。33の都市が選ばれ、10都市には予算を付けて推進しています。ちなみにこの取り組みは2018年から実施されています。

 

SDGs未来都市とは、持続可能な都市・地域づくりを目指す自治体を選定し政府として予算もつけてサポートしていこうという取り組みです。

特徴的なものが、その取り組みを「経済」、「環境」、「社会」の3つの観点から持続可能性を見ているところです。

実際に以前選定された都市の1つである「福島県郡山市」を見てみましょう。

これを見てみると持続可能な都市を「経済」、「環境」、「社会」で定義していることが分かります。福島県郡山市に限らずすべての都市が同じフォーマットで表現されているのですが、この3つのバランスを取ることが持続可能を実現する上で大変重要だということがよく分かります。この3つをトリプルボトムラインと呼ぶこともあります。

ちなみに、こちらが2020年7月に選定された都市一覧です。

出典:内閣府地方創生推進事務局

この他にも地方創生SDGsとして地方創生SDGsの概要や最新の選定された未来都市の情報がまとまっています。

ちなみに、カードゲーム「2030SDGs」も参加者全員で創り出す世界は「経済」、「環境」、「社会」のバランスを取ることが重要になります。

それでは、次にSDGsのビジネス的な観点をご紹介していきます

③次世代・女性のエンパワーメントとしてのSDGs

最後の「③SDGsの担い手として次世代・女性のエンパワーメント」を見てみたいと思います。

 

そもそもSDGsはあまりにも広い範囲を全体的にカバーしているので、3つに分けることは困難なのですが、③は①の経済やビジネス、②の地方創生でカバーしにくい部分、特に人にフォーカスした内容になっています。

③でカバーされるキーワードは例えば、「働き方改革」、「女性の活躍推進」、「ダイバーシティ・バリアフリーの推進」、「子供の貧困対策」、「次世代の教育振興」、「健康経営の推進」、「感染症対策等保健医療の研究開発」などそれぞれが膨大な内容をカバーしています。

 

ここではこれ以上詳細を取り上げませんが、ぜひこれらのキーワードで検索してみることでさらなる詳細を理解することができます。

ちなみにこれらの概要は、官邸ホームページにある持続可能な開発目標(SDGs)推進本部会合(第8回)で話し合われた、資料1「SDGsアクションプラン2020」(PDF)に詳細が書いてありますのでぜひ読んでみてください。

 

日本のビジネス・企業におけるSDGs

SDGsの認知度に関する調査を見てみます。

2022年2月に発表されたIGESのSDGs進捗レポートによると、企業の経営陣の認知度は95%を超えています。また従業員の認知度も77%を超えて前年2021年の37%から倍増しています。2021年はテレビで特集等も組まれ、SDGsが企業において一般的に広まった年だったと言えるでしょう。

一方でSDGsの実際の取り組み状況に関する調査を見てみます。

2021年7月に発表された帝国データバンクによるSDGsに関する企業の意識調査によると、SDGsに積極的な企業は2021年に約40%となり、2020年の25%に比べて1年間で15%の上昇を見せています。一方でまだ何の取り組みをしていない企業は50%を超えています。

つまり、SDGsの認知度は十分に高まりましたが、そこからの実際の取り組みに対して、何をどう進めていくのか試行錯誤している状況がうかがえます。実際に私たちが企業の方々をサポートさせていただく中で次のような戸惑いの声をいただきます。

  • SDGsを推進する必要性に対して社内理解がとぼしく進めづらい
  • SDGs推進委員として任命されたが、どうしていいのか分からない
  • SDGが中計に盛り込まれたが実際の活動のイメージが湧かない
  • 17の目標に紐づけて活動しているが、ウォッシュになっていないか不安だ
  • 社内でSDGsに関して認識に温度差があり、進める際に障壁なっている
  • 取り組みに対して社内の意識の醸成が難しい
  • SDGsに関心がある人材を育成したい
  • 自分事化して取り組む自発的チームを組成したい
  • この機会にイノベーティブな新規事業を立ち上げたい

SDGsを進めていくうえで難しいことは、SDGsはこれが正解というゴールがありません。よりよい社会、地球に対する考えや行動と、企業としての自分たち自身が考えるビジョンや存在意義(パーパス)をすり合わせていく行為そのものがSDGsを推進することだと言えます。

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世界のトレンド、SDGsとESGs

持続可能な世界を実現する動きは、世界の投資家を中心としたビジネスの観点からも加速しています。

 

世界の解決すべき課題を環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の3つの観点から行おう、その頭文字をとってESGといい、ESGに配慮した責任ある投資をESG投資といいます。
これは投資家が、短期的な収益だけではなく、中長期的企業価値、つまりSDGsの達成に貢献している企業がESG投資の対象になるという考え方が浸透しつつあるということです。

 

ちなみに、ESGsとSDGsを整理すると、同じ持続可能な世界の実現を2つの視点で表現していることになります。

世界全体でみるとESG投資は2500兆円を超えています。ちなみに日本の国家予算を100兆円ですので、日本の1年間で使うお金の実に25倍のお金がESGsとして持続可能な世界や社会に貢献する企業に投資されている、ということです。

本当? なぜそんなことが起こっているの? と思う方もいらっしゃるかもしれません。そこで、ビジネスの観点から今投資家の間で起こっていることを紐解いてみたいと思います。

実は、投資家がいきなり儲けばかりじゃダメだ、もっと環境や社会にいいことをしたい、と聖人として生まれ変わったわけではありません。言葉を選ばずに言えば「儲けの手段としてESG投資を行っている」ということです。

例えば、世界最大手の投資運用会社のひとつである米ブラックロックが2012年から2018年までの投資リターンにおいて、ESGファンドが従来型ファンドを上回ったと2019年2月に発表しました。すなわち持続可能な世界に考慮していない企業に投資するよりも、持続可能な世界に考慮する企業に投資したほうが儲かるようになった、ということです。

 

逆に消費者が持続可能な世界に考慮していない企業の商品は買わなくなり、持続可能な世界に考慮している企業の商品を好んで買うようになっている、とも言えます。その結果、実はこの10年で企業経営がガラリと変化しています。

 

分かりやすい例で言えば、スターバックスのコーヒー豆は99%がフェアトレード、つまり、発展途上国で作られたものを適正な価格で取引することによって持続的な生活向上を支えるための仕組みで作られています。

他にも、ナイキやGAPでも数年以内に綿製品が100%オーガニックコットンで作られているそうです。従来製品は大量の枯葉剤が使われ、大気汚染、土壌や水質汚染で大きな問題になっていたためです。

 

このような活動が企業のブランドイメージを支え、消費者から支持され、その結果売り上げが上がる、投資家から見れば儲かるという循環になる、ということです。

ビジネスの地殻変動とパリ協定

もう1つお金の流れが大きく変わった見逃せない動きがあります。それがパリ協定です。

パリ協定って、二酸化炭素の排出量を制限するものだよね? なぜそれがお金の流れを変えるの? と思うかもしれません。

 

パリ協定とは正確には、気温上昇を産業革命前に比べて2度未満に抑えるというものです。(1.5度未満にする努力目標も加えられています)そのため、21世紀後半までに温室効果ガスの排出量を実質的に0にしよう、というものです。そのために各国に排出量の枠が決められました。(温室効果ガスとは、地球温暖化に影響を与える二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスのことを言います)

 

これを投資家の観点から紐解くと、この日を境に化石燃料で稼いでいる企業に投資することが一気にリスクになった、ということです。

 

どういうことかと言うと、今ある化石燃料を全部使った場合に排出される二酸化炭素の量は以下図の左側のようにカーボンバブルと呼ばれ3兆トン弱と言われています。一方パリ協定で合意された排出できる二酸化炭素の量はその約3分の1です。つまり、残りの約3分の2の化石燃料は持っていても使用できない資産になった、パリ協定を経て資産が資産でなくなることが決まった、ということです。このことを座礁資産(価値が一気になくなる資産)と呼びます。

 

具体的な例で説明してみましょう。投資家はこれまで、化石燃料に投資して安定的な利益を上げていました。背景には化石燃料はまだまだ地中に大量に埋まっていて、安定的な資産だと考えていました。ところが、パリ協定で化石燃料が全部使えないことが決まり、資産だと思っていたものがこの日を境に資産ではなくなってしまった、ということになります。

これを象徴する出来事が2015年のパリ協定合意後の2016年にロックフェラー家基金がエクソンモービルの株式を売却したことです。なぜ象徴的かと言えば、ロックフェラー家は石油により巨万と富を得たのですが、そのロックフェラー家が自分たちが作った石油会社であるエクソンモービルの株式を売却したからです。自分たちの象徴とも言える会社から投資を撤退させるということは、化石燃料に頼ることが本当に投資の観点からしてマイナスということが言えるということです。

このように投資を引き上げることをダイベストメントと言います。投資を英語ではインベストメント(Investment)と呼ぶのですが、投資撤退をその逆のダイベストメント(Divestment)と呼びます。

ダイベストメントは世界中で600兆円がすでにダイベストしたと言われ、その勢いは益々加速すると言われています。(出展:Arabella advisors

 

世界最大級の投資会社ステート・ストリートは、「2008年のリーマンショック以降、より大きな利益を得るためには、金融以外の物理リスク、訴訟リスクを回避するためにもダイベストメントしESG投資へ回す必要がある。我々はすでに18兆円ESGに投資した」と言っています。

もちろん、より持続可能な世界を創り出すことに貢献するという観点もあるのでしょうが、あえて投資家的、ビジネス的な表現をすれば、リスク回避のためにESG投資をする、というものです。

 

これが今、ビジネスで起こっている地殻変動でお金の流れが一気に変わった理由です。私たちの身の回りに変化を感じ始めるにはもう少しかかるかもしれませんが、確実な変化はすでに起こっています。

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

かなり長い文章を最後までお読みいただきありがとうございます。ここまで理解していれば、あなたも立派なSDGs推進者の一員です。

私たちは、難しく思われがちなSDGsをカードゲームを通じて、楽しみながら体験を通じて学ぶことで、企業、学校、団体やコミュニティーに浸透し、持続可能な豊かな世界を創造しています。イベントを定期的に開催していますので、ご興味がある方はぜひ遊びに来てください。

ぜひ、望む現実を共に創造していきましょう!!